田口史人 『二〇一二』


【 BOOK 】 円盤 / 2016.02 /

 2012年に連載していた日記を中心にした、ひたすら文字文字文字27万字に及ぶずっしりした本で、話題となった『レコードと暮らし』の裏面とも言えるその内容もかなりずっしり。

 なぜか、立川談志が三遊亭圓生の写真の前で、落語をひたすらかき回して来た俺がこっち側(大真打ゆえの古典・保守)にならざるを得なくなった嘆きを語る映像をやたら思い出している。本音を言う男。引っ掻き回す男。昔はどの界隈にも怖いおじさんが居て、人の子でもかまわず叱って・・・という上から目線のことだけでは決してなく。
 
 「ディスる」という言われ方に象徴される本音をつぶやくことさえできない現在のことにもこの本でよく触れているように、田口さんはあえて誰もやらなくなった「その役」を買って出てるような気がしてならない。至極端的に言うなら、「自分が思っていることを言う。」それしか自分の役目は無い。ただでさえ飛び出ることを恥じる日本人が、さらに波風立てることを監視しあう今のモードは、徐々に死んでく世界であり、そこにあえて言葉の岩を投げることは、自己顕示欲に見えて実は、「私は関係ない」とは間逆の、みんなも死なないで欲しいという願いだと思います。 

 当たり前ですが、ここにある文章を含めて、田口さんの考えや行動に全て共感・同意するわけではありません。失敗をみたり?もたくさんあるのが本音だけど、むしろそうじゃないといけない。ガシガシそうじゃないといけない。それでもやはりいつも目が離せないのはその「自分の思い」をちゃんと形にして目に見えるよう触れるように世の中に産み出し続けているから。触発され、俺もなんかやってやろうと思う。

入荷 : 2016.02.15

2,484円

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